名工マヌエル・ベラスケスについて

スタッフの伊藤です。

名工マヌエル・ベラスケス(1917-2014)について、以前、少し調べてみてFacebookにも投稿していたのですが、Facebookだとせっかく調べたのものの過去のものはなかなか探せなくなってしまうので、こちらに・・・

ちょっと長いですが、ご参考までに。

マヌエル・ベラスケスは、日本でもプロ、アマ問わず人気の製作家ですが、製作年代によって評価が変わる製作家でもあります。

出身はプエルトリコですが、比較的若い頃にアメリカに帰化したそうです。ニューヨーク在住期間が長いものの、途中で1972年から1981年まではプエルトリコに帰国した時期もあり、1981年からニューヨークに戻り、晩年はマイアミに移住したようです。

日本でも何人か有名なギタリストの方が使用されていますが、クラシック以外でもバーデン・パウエルや、なんと私の大好きなストーンズのキース・リチャーズも所有しているそうです。

当初は家具職人からスタートして、後にギターやヴァイオリンの修理を行っていたそうですが、16歳で初めてギターを製作し、本格的に製作家としてギター製作を行うようになったのは1946年にニューヨークで工房を開いてからのようです。

1960年代まではハウザー1世を意識したモデル(本人はハウザーモデルとは言ってなかったそうです)で楽器もやや小ぶりながら、この年代が最も評価が高く、1970年代になってからは当時の嗜好に合わせて楽器にパワーを求めて大型化しましたが、この年代は楽器にパワーがある分、音色もやや大味になってしまったという評価もあるようです。

1980年代に入ってからは、元の小ぶりなサイズに戻しました。様々な資料をあたってみると元のサイズに戻したのは、1980年代に入ってすぐだったり、後半だったり諸説あるようですが、これまでお店で取り扱いをしてきた実物を見る限りは、1980年代になってすぐに戻していると思います。

このように、一般的には第1期の60年代まで、第2期70年代、そして第3期80年以降と大きく製作年代を3つに分けて、それぞれ大まかに特徴が分かれるようです。またベラスケスには、工房品と呼ばれる楽器も時折中古市場で流通しますが、それらには表面版の裏側に彼自身のサインが入ってないようです。

ベラスケスが亡くなられたのは2014年、なんと97歳で、自宅で家族の方に見守られての大往生だったそうです。現在はご子息のアルフレッド・ベラスケスが製作活動を行っています。

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