
新企画、Gibson/Vintageブログ第一弾!!今回は当店に入荷した1968年製のGbson ES-355TDSVについて、実機の写真を見ながらその魅力を余すことなく掘り下げて解説します!
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ES-355 TDSVとは
ES-355が初めて登場したのは1958年、当時最先端のセミアコースティックシリーズで最上級モデルとして10本程度作られました。今ではセミアコを象徴するチェリーレッドカラーがシリーズで初めて正式に採用されたモデルでもあります。
初年度に作られたものはES335と共通のモノラル仕様でモデル名は「ES-355T」と呼ばれます。その後1959年にES-345Tの登場に合わせてES-355Tのステレオアウト&ヴァリトーン(SV)搭載モデルとして生まれたのが今回ご紹介する「ES-355 TDSV」というわけです。

ちなみにES-355のモデルネームはモノラルの355Tとステレオモデルの355TDSVの両方が存在しますが、ES-345Tはステレオアウト&ヴァリトーンが標準となるためTという表記(’60年からTD)しかつきません。
1968 Gibson ES-355 TDSV 各部詳細

各部の詳細を見ていきましょう。
1ピースマホガニー・ネック、ブロックインレイがあしらわれた指板にエボニー材を採用し、ヘッドには白鳥貝のスプリット・ダイアモンドインレイ、ボディトップには5プライ、ボディバックは3プライの積層バインディング施されており、ゴールドハードウェアで統一されセミアコシリーズ最上級機種らしい佇まいとなっています。
上質なエボニー指板に白鳥貝のブロックインレイが輝いています。

Les Paul Custom同様の高級感あふれるヘッド回り。

トップバックのバインディングは白と黒の薄いセルを何層も重ねて作るため非常に手間がかかります。

Klusonの高級モデルである501VX通称ワッフルバックペグを搭載したヘッドバック

そしてMaestro Long Vibrolaを搭載したブルースファンには堪らないルックスに惚れ惚れします…
最上級モデルであるES-355の多くはBigsbyをはじめとするビブラートユニットを搭載しておりますが、1963年よりこちらのロングバイブローラが搭載され始めます。通称”Lyre”と呼ばれ、それ以前に採用されていたGibson製トレモロユニットの欠点であったメンテナンス性と操作性の悪さを改良。
直線的なシンプルな機体にあしらわれた竪琴(Lyre)のデザインとゴールドメッキの輝きが、無骨ながらどこか繊細で高級感のある印象を与えてくれます。
ESシリーズのみならずSG、Firebirdなどにも広く採用されGibson発のロングセラーを誇るトレモロテールピースです。

ヴァイブローラーに併せてブリッジもある工夫が施されております。
ABR-1ブリッジの高さ調整をするためのホイールナットを横から見ると、上部がドーム状に丸くなっています。この上にブリッジが乗ることで、アーミングに合わせてブリッジがスイングしピッチが大きく狂うことを解消している訳です。

細かい部分ですが、ユーザーに気を遣った外せないポイントです。
最後に、実は68年からマイナーチェンジされるポイントがあり、それがfホールの大きさです。
下の写真は1967年のES-345とのツーショットですが355のfホールがわずかに大きくなっています。
69年のES-355はバウンドホール仕様へ変わるめ、アンバウンドのラージfホールはわずかしかない特徴です。

次回予告 後編
後編では最大の特徴であるステレオアウト&ヴァリトーンの仕様と気になるサウンドについて触れたいと思います。
クロサワ楽器 G-CLUBSHIBUYA
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