クロサワ楽器 お茶の水駅前店
高橋 優
近年アコースティック・ギターを弾く女性は増え続け、当店でも毎日のように女性が訪れては購入してくださいます。お茶の水駅前店のアコギ担当である私、高橋も沢山の方にアコースティックギターを、その中でも特にマーティンをおすすめしてきました。
そんなある日、180年以上続くマーティンギターの歴史を紐解いていたら、わかったことがありました。それは1800年代にはギターを弾く7割の人が女性だったということ!ギターを弾く女性は少ないと思われがちですが、私たちがそもそも原点だったのです!と、そんな半ば強引な想いを込め、マーティン好き女性代表として私が勝手に企画したのが今回の企画なのです。
最初のゲストは、私と同じ20代でマーティンを愛しているアーティストの藤原さくらさんです。藤原さんに、私がセレクトしたおすすめ10本のマーティンの中から、心に響いたマーティンを3本セレクトしていただきました!
福岡県出身の24歳。
父の影響ではじめてギターを手にしたのが10歳。洋邦問わず多様な音楽に自 然と親しむ幼少期を過ごす。高校進学後、オリジナル曲の制作をはじめ、少しずつ音楽活動を開始。
2015年にEP「à la carte」でデビュー以後、2作のアルバムを発表。シンガーソングライターとしてのみならず、ドラマや舞台出演など役者とし ても活躍するほか、ラジオDJなど幅広く活動している。
10月21日には3作目のアルバム「SUPERMARKET」をリリースしたばかり。2021年1月16日(土)には東京・中野サンプラザにて「Sakura Fujiwara Live 2021 "SUPERMARKET"」を開催する。
天性のスモーキーな歌声は数ある女性シンガーの中でも類を見ず、聴く人の 耳を引き寄せる。
2020.10.21 Release
アルバム / VICL-65362
¥3,000+税
Speedstar
01.Super good
02.Ami
03.Waver
04.生活
05.コンクール
06.marionette
07.Right and light
08.Monster
09.spell on me
10.ゆめのなか
11.BPM
12.Twilight
13.楽園
Martin の中で一番元気でパワフルなサウンド。ボディは大きく女の子には少し大きいサイズかもしれないが、必ず一度は弾いてもらいたい永遠の名機。まさに Martin ギターのサウンドの象徴です。
ビンテージライクな部分と最新の技術が組み合わさったモデル。チタンロッドの軽さとリキッドメタルピン、カーボンプレートで音の広がりと、抜群の抜けの良さ、ブライトな音色で低音の重苦しさが良い意味で削がれ、爽快でバランスの取れたところがおすすめ。
スタンダードよりもワンランク上の28スタイルが欲しい人にお勧めです。通常もモデルよりも音色にコシがあり、弾力のある低音と艶やかさがさらにアップ周りと差をつけたい人や、ちょっといいものを持ちたい方に、特別な1本。
トリプルオーよりも一回り小さいサイズで身体の収まりも良い。弾いた時の音のレスポンスが早くいい意味で広がり過ぎず纏まりが良いです。
28スタイルよりも音色、ルックス共に豪華になったモデル。濃厚な低音域と高音域の艶やかできらっとした音色が特徴的です。豪華なヘッドプレートの縦ロゴやボディのアバロン装飾は大人の女性に持って貰いたい品のあるルックス。40番台ならでは特別感が味わえる1本です。
アンティーク家具調なルックスと雰囲気が可愛く、オールマホならではのカラッと抜けよく、角の取れた音色。トロンとしたやさしい感じがおすすめです。
31年に作られた0017復刻、最高峰のオールマホモデルボディの軽さと、ニカワなどの効果により弦にやさしく触れただけで良い音が鳴ってくれる。シンプルで素朴なルックスがより、品の良さを際立だせる1本です。
マホガニーならではの独特な雰囲気が持ち味。ローズでは味わえない、やさしい感じと哀愁漂うところが癖になる1本。
小さいボディで可愛い見た目。扱いやすく一音一音のレスポンスが早い。全体的にミニマムな鳴りでリズムも出しやすい。お家タイムにも最適。
アディロンVTS×タスマニアンローズの組み合わせ。ボディインレイとサウンド・ホールのロゼッタの艶やかなカラーリングやビンテージグロスのボディが清楚で品があり、近年の Martin にはない美しさを存分に感じられるモデル。Martin 初期のスタイルのノンスキャロップドXブレイシングやニッケルシルバーナットなど、細かいところまで再現されていて現代の Martin にはない仕様で、当時の音色やボディの質感を体験できる特別な1本。
私が10本の中で1番気に入ったモデルは、000-28 モダンデラックスです。ローズウッドを使った通常の 000-28 や 000-42 よりもボディが凄く軽い。音色も普段好んで使用しているマホガニーのマーティンと違ったキャラクターで、ずしっと、ぎゅっとした感じの重みのある音色に魅力を感じましたね。私は指で弾くことが多いのですが、ピックを使ったストロークでしっかりと鳴らすスタイルに似合いそう。とにかく広がりのある音が素晴らしいですね。気に入っちゃいました!!是非手に入れたい一本です!
000-28モダンデラックスはマーティンの新旧を織り交ぜたモデルという印象です。特別に細いトラスロッドやリキッドメタルのブリッジピンなど最新の技術を取り入れつつ、30年代のヴィンテージ・マーティンのサウンドを再現するためのVTS加工を施したトップ材の仕様など、注目すべき点が多々あります。更に、ヘッドストックのゴージャスなアバロン・インレイのロゴやゴールドペグがこのモデルのスペシャル感を際立たせています。そして、このモデルは、とにかくすごく軽い!という印象を受けました。ヴィンテージとモダンなテクノロジーが融合して織りなすサウンドは、一つ一つの音が明瞭に聞こえ、より広がりを感じます。このモデルは弾き込んでいくとどんな風に変化していくのか楽しみです。これからギターを始める新世代の女性に手にしてもらいたい1本です。ちょっとお高いですがマーティンの奥深さを感じてみてほしいですね。
マホガニー好きな私が所有しているヴィンテージ・マーティンに最も近いモデルなのでついついマホガニーのボディを選んでしまうのですが、その中でも好みのタイプはこの00-17オーセンティック1931でしたね。ちょっと幅広いネックですが、12フレット・ジョイントなので、短くて押さえやすいです。ボディも通常モデルよりも軽く感じるのは、ヴィンテージ仕様ならではだとのこと。抱え易くサイズ感も抜群のこの00-17は、とにかくこのルックスが可愛い!柔らかく広がる音色で、爪弾くスタイルが多い人にもおすすめ。優しいタッチでいい音が鳴ってくれる。女性に是非使ってみてもらいたいモデル。
正に最高峰のマホガニー・サウンドが味わえる贅沢な1本です。見た目はシンプルで素朴なデザインですが、ツヤッツヤのグロス仕上げではなく、ややくすみがかったヴィンテージライクなグロス仕上げなどが雰囲気抜群です。戦前のマーティンを再現したオーセンティック・シリーズの素晴らしさを感じますね。クラシックスタイルのスロッテドヘッドや12フレット・ジョイントによるなめらかなボディラインによるノスタルジーな見た目が可愛く、女性ウケしそうです。1931年製のマーティンに触れる機会はなかなかありませんが、これがあれば現代にはない古き良き音、本物の音色を感じられるのではないでしょうか。ボディ材もマホガニーが中心。ローズウッドにはない軽やかなサウンドが心地よく、何度弾いても癖になります。シンプルなコードで指弾きしても音の粒立ちがよく、きれいな音で広がってくれます。この最高のマホガニー・サウンドを女性に弾いて頂きたいです。
3番目は、やっぱりこれ!マーティンの王道、大好きなポール・マッカートニーさんが愛用しているD-28です。軽く弾いただけなのに、いい音。これまで使用したことがなかったドレッドノートサイズのマーティン。こういう大きなサイズのマーティンをジャンジャン弾けるとかっこいいですね。弾いているときに自分のお腹あたりにズシっと音が響きます。これがローズウッドを使用したD-28の特徴なのだと思います。いや~、D-28がこんなに良い音がするなんて知らなかったです(笑)。マーティンギターの永遠の銘器、初心者の女性にも是非一度は使ってみてほしいです。
誰が聞いてもやっぱり、『これぞ!マーティンという』という憧れのモデルです。マーティンの中で、最もパワフルで元気なサウンドだと思います。ボディ材は定番のローズウッドとスプルースのコンビネーション。低音は濃厚で太く、中高音はキラキラした癖のないサウンドが特徴です。ドレッドノートはボディの厚みもあり“全体的に女性にとっては大きめサイズ感ですが、あえてこれを選んで弾いている女性は凄くかっこいいですねー!アコースティックギターの世界基準とも言われているD-28は、日本のマーティンファンには、”ニッパチ“という愛称で愛され続けています。とにかく、純粋に良い音なのです。抱えて鳴らしたときのお腹に響く感じはたまりません。本物のアコギサウンドはこれだと思いますよ。「私の最初のマーティン“ニッパチ”です」と言えたらかっこいいですね。誰もの憧れでもあるD-28は間違いのないモデルです。是非、鳴らしてみてください。世界が変わりますよー。
これは私がはじめて購入した 000C Nylon に最も近い現在のモデルです。デビュー前に沢山のマーティンを弾かせて頂いて、最も気に入ったのが 000C Nylon でした。ずっと私のメイン・ギターとして愛用しています。このモデルと出会ったことをきっかけに、ヴィンテージ・マーティンを数本所有するようになりましたね。ということで、特別にもう一本、この 000C12-16E Nylon も。ピックアップが新しくなったそうで、気になりますね。ナイロン弦のやさしい音、おすすめですよ。
このモデルは、以前の 000C Nylon から1グレードアップした、16シリーズとして登場したモデルです。サイドとバックの材は、サペリからマホガニーに変更され、より鳴りの深みと余韻の長さが増したように感じます。ボディのインレイも18シリーズと同じ濃い色味のブラウン・タータスに変更され、これまでよりも凛とした品格のあるルックスが特徴となりました。ピックアップも最新のシステム Fishman Matrix VT Enhance NT1 という、通常のサドル下のピエゾのピックアップとボディの振動をリアルに再現するピックアップの二つが搭載された優れもの。ナイロンギターのやわらかいサウンドの良さを損なうことなく引き出すエア感が魅力です。ネック幅も通常のクラシックギターよりやや細めで、弾きやすいです。さくらさんが最初に選んだ理由がわかりますね。弾くとやさしい気持ちになれる癒しのモデルですよ。まさに女性にぴったりのモデルかもしれませんね。ライヴでも使えるこのモデルは注目です!おすすめですー。
"MARTIN" は私の音楽の夢でした!
毎日弾いています!
私は小ぶりなサイズが好みなので、0-18 や Size 1 De Goni Authentic 1843 にも心を奪われそうになりました。ね、ただ、Size 1 はスペシャルすぎて手が出ませんね(笑)。 0-18 は、とても素晴らしかったのですが、それ以上にインパクトがあったモデルを優先してしまいました。みんなそれぞれに特徴あるので、マーティンの弾き比べは飽きませんね。とっても楽しく贅沢な時間でした!