静岡県浜松市の住宅地にひっそりと建つ工場。入り口にはTokaiの旗が掲げられていますが、意外なほど小さな工場です。
ここから世界に向けて日本製ギターが旅立っているとは正直驚きです。
それでは早速中へ…
入ってすぐにメインの生産ラインがありました。
決して大きなスペースではないですが、大きな機械工具が多数並んでいました。
作業している人数はあまり多くないようで、すべての機械の前で作業を行っている訳ではないようでした。
作業場へ向かうため、廊下を進むと…
廊下には塗装上がりで組み込み待ちのギターが多数並べられていました。
数はありますが、やはり量はほかの工場と比べ物にならないほど少なく、いかに一本一本を丁寧に仕上げているかがよくわかります。
塗装の作業は国内の別工場で行っておりますが、【オールラッカー】や【一部の特殊な塗装】は、工場内の別部署にて行われ、すべての製品に徹底した品質管理がなされているようです。
大量のネックが用意されていました。
こちらも勿論工場内でハンドメイドされています。
ボディとネックの接着部分は接着剤なしで持ち上げても外れないほどの精度を誇っています。
レスポールタイプの要ともいえる部分で、ここの精度で音が決まると言っても過言ではないくらいです。
また昔から、今も変わらずニカワ接着を続けています。
熟練された職人が少人数で一つずつ工 程をこなしていくため、品質にばらつきが出ず安定したクオリティが保てる のです。
工場訪問時はちょうど配線穴加工と、 エンドピンの加工を行っていました。こういう細かい作業もハンドメイドで製造されていきます。
このため生産に非常に時間がかかって しまう半面、Tokai 人気の秘訣でもあります。
作業台の後ろを振り向くと…
昨今作業時間短縮の為、様々なギターメーカ ーがボンドを使用していますが、Tokaiは10万円ほどの国産モデルからすべてニカワで接着しています。
Gibsonもカスタムショップ製のハイエンド モデルからしかニカワ接着は行っていないので、大きなポイントとなります。
この写真はハンドカービング中のレスポー ルタイプ。こちらも当店でオーダーした通常よりも深いアーチトップのモデルです。
お次は別の部屋の作業場へ。
ここでは主に塗装後のネック仕上げが行われています。二人という少人数のセクションです。
こちらはナット部分の成型中。
樹脂などではなく、本格派の牛骨ナットで演奏しやすいように細かく仕上げていきます。
最後はまた別の作業場へ。
こちらで最終の仕上げが行われます。
このセクションも2人だけ。
見学時の作業中スタッフは、かなりの少人数でした。
この少人数体制だからこそ実現できるのが、【大量生産時代】にはない、非効率ながらも圧倒的な品質管理であります。
こうして工場潜入の任務は終わりました。
非効率生産主義とTokaiでは謳っていますが、その要に少人数性があるということを強く感じました。 初めて訪れた Tokai 工場でしたが、他の工場のようなベルトコンベヤー式の流れ作業ではなく、 少人数で工程を順々に進めていく流れはとても新鮮でした。
極論としては、工場というより工房に近い生産スタイルであると考えることができます。 生産量はさほど多くないため、常に在庫はほとんど抱えていないようです。
注文してから納品までは約5 か月待ちという非常に長い期間を要しますが、 この生産方法を見直すことなく貫いている姿勢は、非常に素晴らしいと思いました。
2018年3月より価格改定があり、現状値上げが続いている状態ですが、 現代において日本製ハンドメイドでありながらこの価格を実現しているのは非常にありがたいことと言えるでしょう。
G-Club Tokyoでは現在積極的にTokaiの取り扱いを始めておりますので、 ぜひ一度ご自身の目で耳で体験してみてください。
今まで知らなかった、まったく違う新しい世界が見えてくるかもしれません。
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営業時間
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