ヤマハアルトサックスの上位機種であるYAS-62、82Z、875EXをそれぞれ吹き比べてみました!
それぞれどのような特徴があるのか…皆様のサックス選びの参考になれば幸いです!
担当 船木 宏太郎
小学校の時にテレビで見た某ドラマにてクラリネットを発見、「なんだあの黒いの、かっこいい!やりたい!」という理由だけでそのまま中学では吹奏楽部に入部。
しかし、人員などの関係でテナーサックスを担当することに…(結果、今もサックスが吹けるので良し)
高校ではバスクラリネットを担当するも、やはりクラリネットへの執着を捨てきれず、大学にてついにクラリネットを担当することに!
その後はいろいろありながらも楽器店に就職、楽器は細々ではあるが続けて吹いている。
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早速試奏してみました!
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今回比較するYAMAHA YAS-62 / YAS-82Z / YAS-875EXの3モデルはパーツの形状やネックの種類などが微妙に異なります。
ex.支柱の形状…3モデルとも2点支柱というところは共通ですがその形状は微妙に異なります。
ex.ネックのちがい…62には独自開発の62ネック、82ZにはV1ネック、875EXにはG1ネックがそれぞれ搭載。微妙な吹奏感や響きの違いが生まれています。
今回の試奏用セッティング
マウスピース:セルマー S90180、メイヤー 5MM
リード:バンドレン トラディショナル2.5番、3番
リガチャー:バンドレン M/OリガチャーGL、エイジドゴールド
【YAMAHA YAS-62】
ヤマハのサックスのラインナップでいえばミドルクラスに当たる機種。迷ったらこれ!というモデルで、どんなジャンルでもそつなくこなす優等生。
S90180で吹いてみた場合...
吹奏楽などでよく聴く整ったサウンドで上から下までストレスなく吹きやすい。音も非常に柔らかく、音程もある程度揃って聴こえるので初めての1本にも最適ですね。
メイヤーで吹いてみた場合...
先ほどのセルマーで吹いた時よりもダイナミクスが広がる感じがします、表現の幅も広がりますね。音色の面には大きな変化は感じず、先ほどと同じく上から下までストレスフリーに演奏できます。
【YAMAHA YAS-82Z】
ジャズやポップスでの演奏を想定されて作られたヤマハの上位機種カスタムZシリーズ。タンポの反響板を金属製に変えたことでより良く響く、それでいて軽快な吹き心地でバランスに優れた機種。
S90180で吹いてみた場合...
62と比べると全音域で太く鳴ります、そして相変わらず非常に吹きやすいです。若干チリチリというノイズが音に乗るようになり、少しダーティーな音も出せます。ダイナミクスレンジもより広がり、大きな音も小さな音も余裕が生まれます。
メイヤーで吹いてみた場合...
さらにより表現の幅が広がる感じがします。楽器がめいいっぱい振動している感覚があり、吹いていて楽しい。弱音でもつぶれず良く響く、少し音にノイズが入り、粒立ちが良い。少々抵抗感はあるが、逆にがっつり吹き込むことができる。
【YAMAHA YAS-875EX】
ヤマハのフラッグシップモデル、上品で柔らかなサウンドで吹奏楽やクラシック層での人気が高い。元々875というモデルをより軽やかに吹けないかというコンセプトで開発、サウンドの重厚感は失わずに軽快な吹き心地を持つ。
S90180で吹いてみた場合...
とにかく吹きやすい、特に弱音でのコントロールは62、82Zと比べても別格。音色のベースは62系のキレイ目なサウンド、よりリッチに伸びやかに、数段もスケールアップしたような感じ。82Zと比べて音と音の繋がりがとても滑らか。
メイヤーで吹いてみた場合...
S90と同様に音の繋がりが滑らかで、82Zのような少しノイズ混じりの音ではなく、ムチムチとした中身の詰まった感じになります。息の抜け感もいい、ただ82Zと比べるとメイヤーの場合は吹き込んでいくと楽器にセーブされる感じがあります。
いかがでしたでしょうか?
よくお客様にもご試奏、お買い上げいただく人気機種を改めて比べてみましたが、それぞれに特徴があり、お客様の好みでお選びいただけるようラインナップされているんだと感じました。
「○○はジャズ向け…」、「○○は吹奏楽には合わない…」という話もありますが、結論は好みで好きなサウンドで演奏できるものをお選びいただくのが一番良いかと思います。
ぜひ、ご自身でも試奏をしてお好みのモデルを見つけてみてください!