本機種の開発コンセプトは2つ。先ず、現代のシーンにマッチする伝統的なエフェクターの音・役割を提案すること。次に、エフェクターの販売員として、ただのエフェクター好きとして、常々あったらいいなと空想していた、クランチからディストーションまで行き来できるペダルの開発です。
本機種は歪み幅が広いのでカテゴライズするのは難しいのですが、"General-Purpose Distrotion"(多目的/一般用途向け歪み)といったとこでしょう。クランチからディストーションまで鳴らせるので、一般用途な歪みであれば1台で対応可能です。
あくまで「エフェクターの音」であることにこだわったので、回路構成は RAT や dyna red distortion などのペダルから範を取り、シングル回路オペアンプと LED のハードクリップを使用しています。DRIVE が12時以上の場合、範を取ったペダル同様のバイト感とキレのある倍音成分で、アグレッシブなディストーションを楽しめます。根幹のサウンドチューニングは、低域と高域がなめらかに鳴るようドンシャリ目にしてあるので、'80sなブリッジミュートを多用するリフでも物足りなさはありません。
一方で DRIVE を12時未満に設定した場合、元々のバイト感とキレのある倍音成分はそのままに歪み感だけ減少させ、軽快なクランチサウンドを出力します。前述のように低域の再生も考慮したサウンドチューニングなので、キャンキャンするだけの腰砕けサウンドにはなりません。既存のアンプのクリーンチャンネルやオーバードライブペダルでのクランチでは歪みたりない、アンプのドライブチャンネルや一般的なディストーションだと歪み過ぎて困ってる方、少ない機材で広い歪みレンジをカバーしたい方にオススメのペダルです。
内部の基板は一般的なプリント基板ではなく、「ジサッカー」(エフェクター自作民)にはお馴染みのストリップボード(VERO ボード)を使用しています。エビデンスはありませんが、プリント基板よりストリップボードの方が信号の劣化があり、自然な応答やレンジ感が得られると考え採用を試みました。
筐体はカナダ バンクーバーを拠点とするペダルパーツサプライヤーの GØRVA design のアルミケースを、アルミノブとフットスイッチはアメリカ オレゴンの Love My Switches のモノを採用しています。GØRVA のケースはいわゆる MXR サイズと言われるものよりも、ひと回り大きいながら軽量なので、作業性と可搬性に富みます。
そして、フットスイッチ部には、打刀・突兵拵の鍔の形をモチーフにした南部鉄器製のプレートを配しています。当初は外観上のアクセントとして取り付けましたが結果として重量バランスを整えるウエイトとして、良い働きがあることがわかりました。本機はトラディショナルなパーツ構成にストリップボード、アルミ製の筐体とノブで、完成当初はサイズの割に軽すぎるモノでした。それに南部鉄器プレートを取り付けることで、安心感のある重量になりました。
モデル名は夢想神伝流居合道古流初伝5本目の業名に由来します。「陰陽進退」(いんようしんたい)は「後の先」と「強い攻め」が一体になっている業で、しっかりとした足腰での体捌きと確実な刀の扱いが肝になります。アグレッシブな業なので、10~30代の若い剣士が演武の際に披露することが多いです。
本機もアンサンブルを引き立てるクランチから、攻め気のディストーションまで、受け攻め一体の性質を持っているので、現役時代に多用したこの業にあやかり命名致しました。
販売価格¥19,800(税込)
※このページ内で使用している画像は開発段階の試作機を撮影したものです。実際に販売される製品版は、ラベルの貼付等、外観が異なります。予めご了承ください。
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