Rocker 32 のフロントエンドは唯一無二です。ナチュラル・チャンネルはコントロールが「ボリューム」1つのみで、ギターやピックアップ、そしてペダルの組み合わせによるニュアンスを余すことなく引き出せるよう精密にボイシングされています。十分なクリーン・ヘッドルームを備えている一方で、オーバードライブやディストーションのペダルとの相性も抜群です。

ダーティー・チャンネルは、3バンドEQ、ゲイン、マスターボリュームを備えた馴染み深い構成で、あらゆるタイプのブリティッシュ・クランチを生み出すことが可能。もちろんクリーンに設定することもできます。さらに便利なハーフパワーモードを搭載しており、EL84出力管をより深くドライブさせたいときに音量を落とすことが可能です。これにより出力をフルの 30ワット（片側15W） から、より家庭向きの 15ワット（片側7W） に切り替えることができます。

モノラル／ステレオ対応

いまやスタジオクオリティのステレオ対応エフェクトも珍しくありませんが、それを活かすには通常2台のアンプが必要です。Rocker 32なら、ステレオ・エフェクトリターンと独立した2つの真空管パワー段を搭載しているため、1台のコンボアンプだけでペダルボードのポテンシャルをフルに引き出せます。

シンプルに使いたいなら、他のモノラルアンプと同じように接続すればOK。もちろん、ループを工夫して接続すれば、ステレオ・パンニングやウェット／ドライのセットアップ、さらにはABYスプリッターを使って左右別々のエフェクトチェーンを走らせることも可能です。

独自のツインチャンネル設計

「自分のギターやペダルが本当はどんな音なのか」――Rockerシリーズはその答えを教えてくれるアンプです。
“Natural”チャンネルはボリューム1つだけの超シンプル設計で、徹底した透明感を追求。シングルコイルなら澄みきった煌めき、ハムバッカーなら木の温もりを感じる豊かなトーンを引き出します。

クリーンに設定すればクリスタルなトーンを、ボリュームを上げればブルージーなクランチに。ブーストやオーバードライブを踏めば、さらに生き生きと反応します。まさに“入れた音がそのまま出てくる”チャンネルです。

一方“Dirty”チャンネルは、ゲイン、マスターボリューム、3バンドEQを備えた王道レイアウト。クリーン寄りに設定してセカンドリズムサウンドにしたり、ブリティッシュグリットなリードトーンに追い込んだりと、多彩に使えます。（※フットスイッチFS-1は別売です）

小さな筐体から生まれる大きなサウンド

Rocker 32の巧妙なデュアル出力段設計と2×10”スピーカー構成は、そのサイズからは想像できない迫力を生み出します。片側の出力段にはカソードフォロワーを搭載し、モノラル運用時でも音の広がりと立体感をプラス。

カスタムの「Voice of the World Gold Label」10インチスピーカーは感度101dBを誇り、1ワットも無駄にしません。ステージ上で感じる押し出し感、タイトで腰のある低音、そして煌びやかな高域は10インチならでは。小型コンボのイメージを覆すサウンドです。

弾くために作られたアンプ

Orangeのアンプは「使い倒される」ことを前提に設計されています。最高のトーンと耐久性を実現するため、Rocker 32にはTerrorシリーズにも使われる独自設計のトランスを搭載。最新フラッグシップ・ヘッドと同様に、プラスチック端子やリボンケーブルを排し、手作業によるフライングリード配線を採用しています。

さらに、シャーシマウント式のスイッチ類は溶接されたスチール筐体に固定され、堅牢な18mm厚の合板キャビネットに収められています。そして肝心のステレオ・エフェクトループは、トーンの純度を守るためオールバルブ構成にこだわりました。