ここではギターの構造について「今さらこんなこと聞けないよ」という感じの内容から
ちょっとマニアックな内容まで幅広くご紹介します!いっきには紹介し切れないので随時内容を追加していきます。
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よく、ギターを構成する板が「合板」とか「単板」とか表記されてて当たり前のように使われていますが、なにが違うのか意外に理解されて いないことNo.1だったりします。かなり多い誤解が「板の右と左が2枚に分かれてるのが合板」という内容です。実はこれは間違いで、合板か単板かは「左右」ではなく「面」が何枚でできているかを表しています。
「合板」とは一枚に見える板が実は「薄い3枚の板を重ね合わせて構成されている」もの。建材とかだと3枚ではなくもっと多い枚数だったりしますがギターの場合はほとんどが3枚で構成されています。張り合わせの板なので振動特性は良くないが、価格を抑えられることがメリット。
「単板」とはその名の通り一枚板のこと。柔軟に振動するので音色はこちらの方が優れるが、値段が高くなってしまう。
見分け方はトップの板が一番簡単で、サウンドホールから板の厚みを見ると合板の場合は3枚に見えて、単板の場合は1枚板なので木目が裏まで繋がっている。サイドやバックの場合は、サウンドホールから中の木目を覗いて特徴的な木目を探し、ギターの外側の木目と照らし合わせます。単板であれば木目 が一致します。
高めのギターなんかでよく「スキャロップドブレイシング」とかスペックに表記されてますが、なんのこっちゃって話だったりしますよね。これはトップのブレイシングを波状に削り取る加工のことです。すごいシンプルに説明すると削り取ることによって骨組みの軽量化を図り、よりトップ板を震わせ易くする加工のこと。
なぜ波状に削るかというと、ただ削り取るだけでは強度がガタっと落ちてしまうので工夫を凝らした結果波状という形に落ち着いたようです。波状にすることによって部分的に背の高い所を作り、「支柱」的な役割を果たす部位を作って強度をできる限り落とさずに加工しています。
スキャロップド加工を施したギターは「軽い振動でもボディ全体が響いたニュアンスの音色が出力される」傾向にあり、空間的なサウンドを好むプレイヤーに人気があります。ただ、スキャロップド加工を施していないブレイシングの直線的なサウンドが好きな方もいっぱい居るので、一概にどちらが優れてるとかは言えません。
アコギの塗装にはいくつか種類があります。代表的なのが「ウレタン系塗装」「ラッカー塗装」の2種類。ウレタン系塗装は低価格帯のギターや日本製 のギターに、ラッカー塗装は高級ギターに使用されることの多い塗装です。それぞれの特徴は以下の通り
「ウレタン系塗装」 | ||
・とても強い | ・塗膜は上手に塗ると薄い | ・経年変化は少なめ |
・光沢は強い | ・コスト普通 | ・塗装の修理は難しめ |
「ラッカー塗装」 | ||
・あんまり強くない | ・塗膜は薄い | ・経年変化が多い |
・光沢はほどほど | ・コスト高い | ・塗装の修理はし易い |
おおむねこんな感じです。要するに、「高いギターの塗装は楽器に吹く分には良い塗装だけどあんまり強くないよ」って内容です。
ラッカー塗装は経年変化が見た目にも明らかで、何年か使えば新品時の光沢感も落ち着き、少し艶が減っていきます。また、気候の変化による木材の収縮に塗装の収縮が間に合わず、「ウェザーチェック」と呼ばれるヒビ割れが入ることもあります。この「そんなに強くない」感じが楽器の塗装としては良い塩梅で、「良いギターは使い込むほどに味が出る」といった内容の一端を担っています。
ただ、一概にラッカー塗装が全て最高かと言うとそういうわけでもなく、日本の気候の変化の激しさを考えるとウレタン塗装の方が「塗膜の薄さの割に丈夫」といった魅力もあると思います。このあたりはどこに重きを置くかで変わってきますね。